マダムMizkoの海外diary

画像: 切なかった夜

切なかった夜

2011年10月13日


(イタリア、ミラノ 10月12日)

外国語を聞くと、自然に私の頭の中のアンテナがそれを追う…。それは長年語学を学んで来た一種のクセでもあります。
聞き取りの訓練は限りなくして来ましたし、今尚それは続いています。
ですから前回の日記同様に、聞きたくないことも聞いてしまいます。

《ドイツ、ニュールンベルグ編》

ある中華料理店で、一人夕食をしていた時でした。
囲いのある隣の席から、英語が聞こえて来ます。
どの語学かの違いはあっても、私の生活で、外国語のヒヤリングのトレーニングをしない日はほとんどないので、自然に私の神経も耳もその英語を追います。
話す英語から、中国人の男性二人とドイツ人男性二人が話していることが分かりました。
内容から仕事関係の集まりのようでした。

中国人A:「所で日本に仕事で行ったんですよ。」
中国人B&ドイツ人A&Bが一斉に驚いた声を上げる。
その一人が「え~~日本に?!!!」と言い、こんな会話が続きました。
ドイツ人A:「大地震の前?それとも後?」
中国人A:「後ですが、滞在中東京も揺れましたよ~!」
ドイツ人B:「じゃあ~その時は机の下に入りましたか?」
中国人B:「地震ばかりで、机の下に入りっぱなしで仕事にならなかったんじゃないのか~~?」
そして4人が一斉に笑う。

以前は中華料理店では、よく日本人のビジネスマンとドイツ人のビジネスマンが一緒に食事をしていたものですが、近頃そんな光景もあまり見なくなりました。その代わりに中国人のビジネスマンをよく見掛けます。

隣りの席で4人の笑い声を聞いているのは、何とも切ない気持ちでした。
いつもなら黙っているMizkoではありませんが、この状況では反論も出来ず、それに外国人が今の日本に不安を持つことは当然ですからね。私達日本人も不安なんですから…。

日本が大好きで、よく日本を旅していたこちらの友人は、「日本はもう怖くて行けない!」とアジアの他の国を旅しています。
私自身もNYの9.11のテロ事件あった年の冬にアメリカに行く予定でしたが、あの事件で即キャンセルしましたから、友人の気持ちも解ります。

それにさっき読んだ「東京、世田谷区で多量の放射能検出」のニュースでは、益々不安になりました。

日本語の中でも海外でそのまま通用する単語はいくつかありますが、その中に完全に”FUKUSHIMA”が加わりました。

写真:Readerの皆さんはどこのお店だかもうお分かりですよね?!
そうです!「わかば」です。本日ランチに行って来ました。寿司定食、13ユーロです。
今回の小鉢は白身魚のすり身を丸めた物。ねたのクオリティ云々を言えば切りがないですし、日本人経営のお店では約3倍の値段を覚悟しなければなりません。
お寿司も小鉢もお味噌汁もとても美味しかったですよ。それでミラノで13ユーロなら大満足!
本日のミラノは、電光掲示板に出ている気温は30度でした。
でも風は秋風なので、体感温度はそれほどではありませんが、キリンの生ビールが美味しい陽気でした。イタリアでのランチ時のビール、ワインは普通ですから!



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