2010年12月15日
写真:前回ドイツのクリスマスマーケットについてお話しましたが、東京でもこの一角だけはドイツです。建物も外灯も、ベンチも石畳も……。私のお気に入りの場所です。
どこの国に暮らすにも滞在許可証の収得は本当に厄介です。
ドイツでの経験とイタリアでの経験を2回に渡ってお話しましょう。
その前のアメリカでの経験ではこの2カ国ほど強烈な思い出はありませんから省きます。
先日の日記で、イタリア在住の日本人の方方のコメントも読んで頂いたと思いますが、その中にも滞在許可証収得の大変さはありましたね。
どんな国もただ荷物を持って行き、それで暮らせるわけではありませんからね。
私のイタリア滞在許可書「更新」体験をお話しますね。
更新の手続きは、イタリア人の女友達があちこちで吠えながら(?)、時に悔し涙を流しながら手助けをしてくれました。そう…イタリア人さえ、イタリアの生活の大変さに時には腹も立てます。
許可証が準備出来たので、警察署に取りに来いと連絡が来たのは、手続きをしてから10ヶ月後(!)。でも周囲には「早かったね!」と言われました(!)。
必要という言われる書類を用意をして、受付時間内に警察署に行きました。
そうしたら受付時間内だというのに、「もう終了した」との一点張りでドアを閉められました。
翌日受付時間30分前の早朝に警察署に行くと、沢山の外国人がいました。
ドアが開き、何人かをドアの中に入れて、残りは今日は受付ないというのです。
「何で?????」。その回答すら誰からも得られず、翌日はもっと早く行きました。
一人の外国人女性が、紙に名前を書けと言います。そこには番号が振られていて、私は
13番でした。そして彼女は「一日15人の外国人しか取らないのよ。私は15人中に入れず、今日で6回目なのよ」と言いました。それで今までの疑問がクリアーになりました。
「それならそうとどうして前もって知らせてくれないの???」と誰もが思うと思いますが、こういう時は「それはね、イタリアだからなの。」といつもの様に諦めるしかないのです。
どうにか15人中に入れ、安心したのも束の間……やっと自分の番が来たら、「書類が足りないから、はい次の人!」の一言で帰そうとします。それに納得の行かない私は、強い口調で言いました。”un momento per favore!!!”(ちょっと待ってください!)
次の人を部屋に招き入れようとする係員を制し、言われた書類が全部揃っていることを訴えました。すると手続きする時に渡した〇〇書類も必要だと言います。
「それならそうと必要書類の項目のところにどうして記さないの??」という疑問があってもそんな議論は無用。「それはね、イタリアだからなの」とまた諦めるしかないのです。
私はここで帰されたら、許可証の受け取りがいつになるかわかったものじゃないので、
引き下がりませんでした。でも何を言っても「ダメ」の一言。最後には「私を帰さないで下さい!私は帰りませんよ!!その書類は家族に持って来てもらいますから。!!」と言うとしぶしぶ係員は「分かったよ」と言ったので、私はその係員の横にぴったりくっ付いて、彼を見張っていました。それは〇〇書類が届く間にこの彼が席を立って、他の係員に交代したら、また何を言われるか分からないからです。同じオフィス内の人でも、人によって言う事もやる事もバラバラで、ひどい経験もたっぷりさせられています。
「絶対に手続きは最後までこの係員にやらせ、許可証は絶対今日取る!」と「絶対」と言う言葉で自分の心をけし掛ける。〇〇書類が届き、晴れてイタリア滞在許可証を手にした時には、私の心は達成感で一杯でした。大変な分だけ嬉しかったです。その後には冷えたスプマンテで自分に乾杯。また一つ乗り越えられた!
(先日の日記に書きましたが、本来許可証は5年間有効ですが、待ち時間10ヶ月分はその5年に含まれます)